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[インタビュー] カフェ 茅野茶輪たてしな日和  横塚 潤美 様

2015.6.3

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素敵なお店や宿がたくさんある蓼科・八ヶ岳エリア。
本サイトをご覧の皆様のなかには、これから開業を目指している方もいらっしゃるでしょう。

「インタビュー」では、
蓼科・八ヶ岳エリアでお店や宿を営業されている方の
開業にあたっての想いや、これから開業される方へのアドバイスをお伝えしていきます。

今回は2015年4月にオープンした「茅野茶輪たてしな日和」の横塚 潤美様にお話を伺いました。

「カフェ」は手段。コンセプトがぶれないように。

ーはじめに、蓼科に移住したきっかけ教えてください。

ずっと東京で生活していたのですが、家族でゆっくり過ごせる場所が欲しいね、と8年前に別荘を購入し、蓼科に通い始めました。
その前にも、学生時代にゴルフ場のアルバイトをしていたり、夫の会社の保養所があったり、蓼科は馴染み深い場所だったんです。
来るたびに東京に帰りたくなくなっちゃって、蓼科で生活したいなあと思って。

 

ーカフェを経営しようという考えになったのはなぜでしょうか?

蓼科にずっと通っていると、だんだん行く所がなくなってきちゃうんですよ(笑)
パンフレットに載ってるところは全部行っちゃったし。
あと、せっかく自由農園とかで高原野菜を買っても、どう食べたらおいしいのかも分からなかった。
蓼科に通っている人たちが、それぞれのおすすめのお店や、お料理を教え合える場所があったらいいなと思ったんです。

はじめは茅野市で仕事を探そうかなとも思っていました。
会計の仕事をしていたので、今までの経験を活かせる仕事に就こうという考えもありました。

でも、もともと「地域コミュニティ」に興味があって、関連の本を読んだりしているうちに、どんどん妄想も膨らんでしまって(笑)
いろんな人が集まって、交流が生まれるコミュニティースペースを作れたら素敵だなあと。

会計事務所でお客様の開業のお手伝いをしていたので
「開業」そのものにも興味がありました。

ただスペースがあっても人は集まらない。
飲食ができる場所には人が集まりやすいかなと思ったのと、
もともと趣味でカフェ巡りをしていたので、カフェの形態をとることにしました。

不動産屋さんや、工務店の方など、店舗作りに携わる方にはみんな、
コンセプトをまとめた企画書を読んでいただくようにしました。

あくまでカフェは手段で、コミュニティースペースを作ることが目的なので。
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実際に足を運んでみると分かってくること。

ー物件との出会いを教えてください。

物件探しには、「楽園信州ちの」という団体が企画している「物件見学ツアー」を活用しました。

夏にはよく蓼科を訪れていたので、「物件見学ツアー」には春、秋、冬に参加しました。
四季折々の様子を知ることは大切だと思います。
とくに冬は寒いし、雪も大変ですから。

最初は今の場所のような大きな通り沿いでやろうとは思っていなくて、
人里離れた森の中がいいなあ、と思っていたんです。
新築じゃなくて、中古の建物を探していました。

でも実際に探し始めたら、なかなか条件の合う物件が見つからない。
浄化槽の設置をしなければならなかったり、建物の改修や、維持費のコストが高かったり・・・

何度も足を運んでいるうちに、今の場所も売りに出ていることを知りました。
イメージしていた場所とは違ったけど、いつも通っているビーナスライン沿いだし、
他の人がここを買っちゃったら後悔するな、と思って購入を決めました。

 

ー物件探しのポイントは何でしょうか?

とにかくたくさんの物件を見てみることだと思います。
たくさん見ていると、不動産の相場がつかめてくるんです。
物件のどこを見ればいいのかも分かってくるし、これはお得なんだな、とか値段に対する感覚もついてきます。

あと、病院やスーパーへのアクセスの良さとか、除雪車が通るのかとか、
何度も足を運んでいるうちに、自分が大切にしたいポイントも絞れてきます。

移住の先輩の話を聞くことも大切ですね!
「楽園信州ちの」のイベントに参加して、蓼科に移住されている方と知り合うことができて本当によかったです。
不動産屋さんとか、売ろうとしている人からの情報じゃなく(笑)、純粋なアドバイスを聞くことが大切だと思います。

 

理想が少しづつ形になっている

ー実際に店舗を運営されてみて、予想外だった点はありますか?

会計事務所での経験があったので、会計のことや手続き的なことに関しては苦労はなかったのですが、
飲食業は初めてなので、仕入れの管理が予想以上に難しいと感じています。
ロスを減らしていきたいのですが・・・

あと一人で運営しているので、ゴールデンウィークは本当に大変でした。
繁忙期の運営の方法について、ずっと考えています。

うれしい点としては、店内中央にある大きなテーブルが予想以上に活躍してくれています。
お店を作るにあたって、アドバイスしてくれた人の半数以上は、
大きなテーブルを置くことには反対だったんです。

カウンター席は絶対つくりたいなと思っていたんですけど、
その他の席は、二人がけのテーブルをいくつか置いた方が人数も入るし、座りやすいと言われていました。

でも、お店のコンセプトとして交流が生まれる空間にしたかったので、
みんなで囲んで座れる大きなテーブルを置きたかったんです。

オープンして2ヶ月が経ちますが、
テーブル席に座ったお客様同士で、「どこから来たんですか?」と会話が始まったりして、
とてもうれしく思っています。

私はこういうことがしたかったんだ、と実感しますね。
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ー最後に、これから商売を始めようとしている方にアドバイスをお願いします!

私も未経験の分野でお店を始めたばかりなので、アドバイスというものではないんですが・・・
やっぱり何度も足を運んで物件を探すこと、
そしてたくさんの人の話を聞くことが大事だと思います。

私は物件探しに2年かかりましたが、
「物件見学ツアー」の他にも、不動産屋さんから物件の資料を取り寄せて、
自分の運転で物件を見に行く、ということを重ねてきました。
実際に見てみないと分からないことがたくさんあります。

あと、その土地に住む人たちとのつながりを持ち、話を聞けたことが心強かったです。
冬場の雪かきとか暖房とか、実際に生活することを考えるにあたって、とても参考になりました。

建物を建てる際に、地元の業者さんにお願いできたことも良かったです!
建築業者さんは名古屋の会社だったのですが、その信州営業所の現場監督さんが、茅野に移住してきた方で。
電気工事、水道、ガス、塗装等の各工事を、地元の業者さんに手配してくれたんです。

実際に住んでみて困ったことは現場監督さんに聞けるし、
各業者さんも近くにあるので、専門的なこともすぐに尋ねることができます。
寒冷地ということもあり、蓼科の仕様が分かっている業者さんは心強いですね。

開業にあたって、近くのお店やギャラリーに入ってみたり、インターネットで検索したりして知り合った方も多いです。
作品をお店でも使わせてもらったり、製作をお願いしたり、よいつながりができました。

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カフェは手段、と大きな理想に向かって歩んでいる横塚さん。
お話を伺いながら、「茅野茶輪たてしな日和」で、いろんな人がうれしそうにオススメ情報を持ち寄っている様子が目に浮かぶようでした。

茅野茶輪たてしな日和  
■住所 長野県茅野市北山4035-65
TEL 0266-55-3365

■営業時間 11:00~17:00 (L.O. 16:30)

■定休日 月・火(祝日営業)

writer:及川 結